他の子と比べて一喜一憂というわけではなかったのですが…、すやすや眠って機嫌の良い周りの赤ちゃんたちを横目に、「神経質で育てづらい子供にあたってしまったなぁ…」とは正直思っていました。
ハイハイを始めたのが9ヶ月、立ったのが11ヶ月。歩き始めたのが13ヶ月と、運動能力的にも他の子より多少遅れていた気がします。しかしそれも、「身体が大きいせいだろう」と、あまり気にしていませんでした。
歩き始めたのと時を同じくして、日本の両親をたずねて里帰りしました。この頃息子は、遅ればせながらも「ママ」「ワンワン」「ブーブー」など、いくつかの単語を言えるようになっていました。チョロチョロ動き回る、目の離せない子でした。「ADHDかも?」と、当時は冗談で言っていました。
両親が海に連れて行ってくれました。砂浜にペタリとお尻をつけて“おばちゃん座り”をした息子。砂を掴み、自分の顔の前、額よりもちょっと上の辺りからサラサラと砂粒を落とし、いつまでも興味深そうに眺めています。
風の強い、寒い日でした。大人たちは帰りたくて仕方がありません。「Rくーん!」母と私で何度も何度も呼びますが、息子はほとんど振り向くことはありません。仕方なく抱えて連れて行こうとすると、癇癪を起こします。ですが、親の欲目とは恐ろしいものです。「好きなことにものすごく熱中する、職人気質で強情な子!」母も私も、その程度にしかとらえていませんでした。