「お子さんは自閉症です。自閉症は一生治ることのない障害です。」
診断結果を告げられた席で、医師にこう言われた方も多いのではないでしょうか。
自閉症は“治る”のか – 定義としては、病気や怪我は“治る”ことはあっても、障害は“治る”ものではないと言われています。私たちは英語ではリカバーという言葉を使うのですが、それは自閉症を「複数の体調不良(病気)と怪我の集合体」と見るからです。
自閉症セラピー(または「自閉症改善に効果がある」とされるセラピー)は、実に様々なものがあります。
- ABAセラピー
- スピーチセラピー
- 作業療法
- フィジカルセラピー
- 食事療法
- ナチュロパシー
- ホメオパシー
- クレニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)
- 高圧酸素セラピー
- カイロプラクティック施術
- NAET(ナムブドゥリパッドアレルギー除去療法)
上の4つの“外からのセラピー”は公費の援助が受けられる国や自治体もあるようですが、下のホリスティック療法(“内からのセラピー”)のほうは多くの地域では未だに「スタンダード西洋医療ではない」という理由で、施術者も患者も金銭的援助が受けられず、患者や家族は自腹で(時に高額な)治療費を捻出しなければなりません。
私の子供の場合ですが、上記のうちフィジカルセラピー以外全て、時に同時進行でやりました。もし時間や金銭的に可能なら、私はこのやり方をおすすめします。
そう言うと「全部一緒にやってしまったら何が効いて何が効かなかったのかわからないではないか」というご意見をいただくことが多々あります。たしかに、あなたが自閉症のリサーチ研究をしていて、「何が(いちばん)効くのか」「ランク付けはどうなるのか」といったデータを取ろうとしているのならごもっともなご意見ですが、ここではそういう事情ではなくて、お子さんとご家族の将来がかかった時間との勝負です。じっくり時間をかけてデータを取っている場合ではありません。
とはいえ、一度に全部は確かに大きな負担です。見えない敵を相手に、ただ闇雲に撃ちまくって弾を無駄にするのは非効率的でもあります。なので、先ずは敵を見つけること。つまり、血液や排泄物、毛髪や脳波など、必要と思われる検査を行って、問題(例えばウイルス、ギョウ虫、腸内環境悪化、ミネラルバランスと有害金属値、癲癇波など)を突き止め、その除去・改善のために必要なセラピーを優先的に選んでやっていくというのが最も効率的なように思います。
体調の悪い子供に正しい行動や新しい言葉を教えようとしても、それこそお金と時間の無駄というものです。子供の側からすれば“虐待”と言われても仕方ないのではないかとすら思います。まずは子供の身体の状態を良くしてあげてからものを教える(訓練する)のが最善のセラピープランだという考え方を、多くの保護者が支持していますし、私個人も強くそう思います。