自閉症の食事療法

医者でもなければ学者でもなく、教育者でもない…そんな普通の親にも何か出来ることは無いものか? そんな親たちの切実な想いが行き着いた先が食事療法です。

自閉症カナダの記事のよると、2017年の段階で知られている自閉症の食事療法は主に8種類あります。

  • ボディーエコロジーダイエット (Body Ecology Diet : BED)
  • カゼインフリーダイエット (Casein Free Diet : CF)
  • ファインゴールドダイエット (Feingold Diet)
  • ギャップスダイエット (GAPS Diet)
  • グルテンフリーダイエット (Gluten Free Diet : GF)
  • ケトジェニックダイエット (Ketogenic Diet)
  • 特定炭水化物ダイエット (Specific Carbohydrate Diet : SCD)
  • イーストフリーダイエット (Yeast Free Diet)

以下、各食事療法の簡単な説明です。

ボディーエコロジーダイエット(BED):悪玉菌(特にカンジタ菌)をコントロールし、腸内環境の改善や、体のPh値をアルカリ性に保つことによって、免疫力をつけようというもの。

カゼインフリー/グルテンフリーダイエット(CF/GF):自閉症者が消化・排出に問題を抱える乳製品や小麦などのたんぱく質、カゼイン/グルテンを除去することによって、脳や免疫系への悪影響を抑えようというもの。

ファインゴールドダイエット:小児科アレルギーの専門医であるベンジャミン・ファインゴールド医師が考案した食事法で、合成着色料、化学調味料、保存料、サリチル酸塩を除去することによってアレルギー反応や過敏症を無くそうというもの。

ケトジェニクダイエット:もともと癲癇患者の治療に考案された高脂質・低炭水化物の食事療法。医師(脳神経科)の指導にもとづいて行われるべきとされる。

特定炭水化物ダイエット(SCD):悪玉菌の餌となる特定の炭水化物を除去することによって腸内環境を整え、健全な免疫系の働きを取り戻そうという食事療法。多糖類と穀類、炭水化物(スターチ)、パッケージ食品や加工品等の使用が禁じられている。

ギャップスダイエット(GAPS):特定炭水化物ダイエットの考えを基礎とし、自家製の発酵食品や骨スープ、野菜ジュースを奨励する。考案者キャンベル・マクブライド博士は、住環境からの化学物質除去も奨めている。

イーストフリーダイエット:ウィリアム・クック医師が提唱する腸内環境改善法で、イーストを摂取しないというだけでなく、悪玉菌の餌になる砂糖や精製炭水化物を除去する食事法。発酵食品や菌類の摂取も避けるよう指導する。

いかがでしょうか? 「たくさんありすぎて圧倒されてしまう」 「どれを選んで何から始めればいいのかわからない」 「ハードル高そう!」 …そう感じる方も多いかもしれません。

パッと見は選択肢が多すぎるように感じるかもしれませんが、よくよく内容を読んでみると、GFCFは「悪影響を与える分子を摂らない」という“予防のためのパッチワーク”的食事制限であり、その他の食事療法は根本から“お腹を治す”ための食事制限であることがお分かりいただけると思います。

最近日本でも広まりつつあるGFCFは、自閉症の食事療法としてはおそらく最も歴史がある(?)もので、こちら北米では「もう古い」と言う人も多く存在します。私たちも初めはGFCFからスタートしましたが、6ヶ月後にはSCD/GAPSに移行し、現在もこれを続けています。

しかし、これから初めて食事療法をスタートしようという方には、まずGFCFをやってみることをおすすめします。と言うのもお米を主食にする日本人にとって、グルテンとカゼインを絶つことのほうが、穀類全てを絶つことよりも簡単だからです。さらに言うと、SCD/GAPSでは大豆食品の使用も禁止です。お米や麺ばかりでなく味噌や醤油までアウトとなると、一気にハードルが上がってしまいます。いきなり難しいと続かない…それでは意味が無いからです。

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自閉症と食事の関係~GFCF

私が息子の食事療法を始めた時は、日本語の文献がほとんど無く、辞書を片手に英語の文献を読み漁ったのを思い出します。

初めはネットで探した情報を元に自己流でやっていました。「パッケージにGF(グルテンフリー)って書いていればOKなんでしょ? 牛乳やチーズあげなきゃ良いんでしょ?」くらいの浅~い知識で、今から思えばユルユルもいいとこでした。それで「これ、本当に効果あるの~?」って(苦笑)。

本格的に(まじめに)GFCF(グルテンフリー&カゼインフリー)をはじめようと思ったきっかけは、カナダでのバイオメディカル療法第一人者のベーツ医師(仮名)に強く奨められたことがきっかけでした。“本格的に”というのは、“書籍などの文献に従って忠実に”ということで、「これくらい良いでしょ?」的な自己判断は許されません。

ベーツ医師は先ず、キャリン・セルーシの“Unraveling the Mystery of Autism and Pervasive Developmental Disorder”(邦題『食事療法で自閉症が完治』)を読破するという“宿題”を言い渡しました。辞書片手に睡眠時間も削って泣く泣く勉強したのを覚えています。

GFCF食事療法とは、文字通り、グルテンとカゼインを食事から完全除去するというものです。グルテンは小麦、ライ麦、大麦、スペルト、カムート、トリティカーレ、エンバク(カラスムギ)に含まれます。カゼインを含むのは牛乳、チーズ、ヨーグルト(ケフィア)、バター、クリーム、ホエーです。

グルテンやカゼインの入った食材を使わなければいいのか? と言うと、そう簡単な話でもありません。店頭に並ぶ加工食品やパッケージ品には、ほぼ必ずと言っていいほどグルテンかカゼインのどちらか、又は両方が入っているからです。どうしても加工品を使うのであれば、原材料表記をじっくり読んで、グルテンやカゼインが含まれないことを確認する必要があります。表示基準が緩い国や地域で買い物する際には、メーカーに問い合わせて確認します。

そもそもなぜグルテンとカゼインをとってはいけないかと言うと…両者は胃の消化酵素でオピオイド(アヘン類縁物質)に変化し、普通なら更なる消化の過程でアミノ酸に分解され排出されますが、自閉症児の場合、多くが小腸の内壁に“穴が開く”リーキーガット症候群を患っていて、そこから本来の健康な腸ならば通れるはずの無い大きな分子が分解されること無く通り抜けて、血流に乗って脳に運ばていくというのです。GFCF食事療法は、脳を麻薬中毒状態にさせないための予防的措置と言えるでしょう。

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自閉症療育の主軸、コンサルタントを選ぶ③

右も左もわからないまま息子の療育がスタートして数ヶ月後…私は焦りを感じていました。息子のコンサルタントはABA/VBを専門としていましたが、息子は相変わらず発語がうまくいかず、癇癪発作も多いまま、暗いトンネルに光が差すことはありませんでした。

ABAではコンサルタントは陣頭指揮を執る指揮官のようなもので、実際に子供の療育セッションに携わるのはセラピストと呼ばれる無資格の素人です。指揮官は。戦闘プランを立てるだけでなく、セラピストという最前線歩兵の訓練・統率もしなければならないのですが、このセラピストさんたちの間でも不安を隠せない様子がうかがえました。

私は再び決断のときを迎えました。“軍”の再編成です。当時のコンサルタントをクビにし、新しいコンサルタントを再びいちから探すことになりました。今回は前回とは違い、自閉症療育事情も把握し、親同士のネットワークもありました。コンサルタント探しは他の親御さんの口コミを頼りに、評判の数社に問い合わせました。やはり、最も頼りになるのは同じ道を歩んだ先輩たち。彼らは私にとってのヒーローであり、真の“専門家”でした。

最終的にAとBの2社に候補を絞り、それぞれの代表者を面接しました。A社は療育スタイルはABAを基本としながらも、他のセラピーからも良いところはどんどん取り入れるBest Practicesという方法をとっていて、家族のニーズにも柔軟に対応できるというのがウリでした。一方B社は、立派な肩書きのカップルが経営する新しい会社で、飛ぶ鳥を落とす勢いでぐんぐんと業績を伸ばしていました。

面接に「来てください」というA社とは対照的に、B社は代表と担当コンサルタントが2人で、他市から高速を飛ばしてやってきました。しかし蓋を開けてみると…B社代表の口をついて出てくる言葉は「金、金、金」! 「州からの年間の補助金2万2千ドル(約186万円強)と、その上にいくら(自腹で)出せるのか?」などと、信じられないことを聞いてきます。補助金額以上は無理だと言うと、「でも、(自費で)バイオメディカル療法もやってるんでしょう? それやめて、その分も我が社のセラピーに当てたらいいじゃないですか!」などと言い出す始末。 私が唖然として言葉を失っていると、代表はさらに調子に乗って続けます。「だいいち、バイオメディカル療法なんて、何の根拠もないですよ。お腹の状態を治したら自閉症も治る(軽くなる)なんて嘘っぱちですよ、絶対!」

あまりにショックすぎて笑いがこみ上げてきそうでした。バイオメディカル療法の成果は、母親である私が実際目の前で見てきたことでした。それを意味の無いものと切り捨て、「“専門家”は自分なのだから、何も知らない素人のお前は俺の言うとおりにしてろ」と言う傲慢ぶり。自閉症療育の“専門家”と名乗る身にもかかわらず、私の顔色の変化も読めない様子の彼は、滔々と一方通行の話をして自信満々、意気揚々と去っていきました! もちろん、その後私から採用の連絡をすることはありませんでした。(担当コンサルタントさんには申し訳なかったけれど。)

それとは対照的に、A社の代表と担当コンサルタントは、息子の様子や他のセラピーのこと、家族のニーズなどをじっくりと聞いてくれた上で、あくまで家族主体で、家族の事情に寄り添う形でセラピーを進めていくことを約束してくれました。バイリンガル療育にも、食事療法にも対応し、英語と日本語の両方でプログラムを組めるというので、こちらに仕事を任せることに決めました。この判断は、後に息子もセラピストさんたちも大きく伸ばすこととなるのです。

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自閉症療育の主軸、コンサルタントを選ぶ②

息子はカナダ生まれカナダ育ちですが、もともと彼の第一言語は日本語でした。しかし自閉症であることがわかった時点では完全に失語していて、カナダ人の元夫とその家族は、息子に引き続き日本語で接することに反対していました。自閉症→英語を話せるようになるかどうかもわからない→日本語なんか教えたら、混乱して英語学習の妨げになる…という主張でした。

しかし、私自身の考えは違いました。「しゃべれるようになる子は複数言語でもしゃべれるようになるし、ならない子は1言語に絞ってもしゃべれるようにはならない。幸い、自閉症療育の先進国に生まれたのだから、ここで療育して日本語も話せれば、将来の選択肢も増えるのではないか」…そう思ったのです。

カナダBC州では、6歳未満の子供が療育の補助を得るためにはABAのコンサルタントを雇う必要があります。数名のコンサルタントと面接をしましたが、当時の自閉症療育は1言語療育が主流で、2言語療育の希望には難色を示すコンサルタントがほとんどでした。

ちなみに自閉症児の2言語療育については、後の2010年に同州のブリティッシュコロンビア大学が論文を発表し、「1言語に絞る必要性はない」と結論づけています。参照“Lexical skills in bilingual children with autism spectrum disorder” http://hdl.handle.net/2429/23471

2009年当時、もちろん私はこの論文の内容を知らないわけですが、ここでもやはり世の“専門家”の意見ではなく、自分の“母親の勘”を信じることにしたのです。息子に2言語療育を受けさせることに同意することを条件のひとつに、私はコンサルタントを選択しました。

自閉症診断は、多くの家族にとっては“即専門的対応が必要な事態”かもしれません。しかし、その自閉症児は家族の一員であり、それぞれの家族にはその家族の運営方針や価値基準があるわけです。家族は“専門家”の言いなりになるのではなく、むしろ“専門家”のほうが家族の意向を汲み取る形で療育の手助けをする…というのが筋ではないかと私は思うのです。

 

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自閉症療育の主軸、コンサルタントを選ぶ①

自閉症児の療育は、その舵取り役であるコンサルタントを選ぶことから始まります。コンサルタントによってどの療育方法を専門とするかが違ってきますので、先ずは主な自閉症セラピー(療育方法)について簡単に説明します。

  • Applied Behavioral Analysis (ABA) : 自閉症児の行動の前後の因果関係(ABC*)を分析。学習に望ましい行動は助長し、望ましくない行動は未然に防ぐか最小にとどめようというもの。コンサルタントの視察に始まり、コミュニケーション、社会性、自立性、運動能力など、各分野での能力レベルと目標を設定、目標までの段階をさらに細かく分解し、データを取りながら課題を繰り返させることによって、少しずつ出来ることを増やしていこうというセラピー。*ABCについて 
  • Early Start Denver Model (ESDM):1~2才を対象にした、ABA主体の行動療法。遊びと共同のアクティビティーを通して言語能力や社会性、知能を伸ばすことを目的とする。
  • Floortime:子供の現在のレベルを踏まえたうえで、長所や特技を伸ばしてやる形で信頼感を深め、会話能力や自律能力を伸ばそうというもの。
  • Pivotal Response Therapy (PRT):ABAから派生し、ESDMの主軸ともいえるPRTは、子供主体の遊びを利用したセラピーで、コミュニケーションや社会的に好ましいとされる行動を伸ばし、非社会的行動を減らしていこうというもの。
  • Relationship Development Intervention(RDI):家族が主体となって行う。段階的にモチベーションや各スキル(他人の感情への配慮や自律、コミュニケーション能力など)を高めていく。
  • TEACCH:視覚優位であったりコミュニケーションが苦手であるなど、自閉症者の特徴を踏まえたうえで、周りの教育環境を整えていくことで学びの手助けをしようというプログラム。しばしば他のセラピーとの併用で使われる。
  • Verval Behavior(VB):ABAの基礎に基づき、コミュニケーションと言語を教えるセラピー。Mand(欲しいものをリクエストすること)、Tact(コメントすること)、Intraverbal(質問への答え)、Echoic(他人の真似をして言葉をリピートすること)の4本柱にフォーカスし、言語能力を伸ばしていく。
  • Son Rise Program:愛情と信頼に重点を置いた家族ベースのプログラム。子供の世界に入り込むことから信頼の構築が始まると説く。子供の脳に良い刺激を与え、エネルギッシュで子供主体の家庭用プログラム。

以上、現在主流のセラピーを簡単にまとめてみました。コンサルタントを面接する際のいち判断材料になればと思います。

 

 

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自閉症の専門家は誰?②

自閉症療育について学ぼうと参加した療育支援センターの講習会で、講師を務めていたポーラ(仮名)は、自身も自閉症児の母でした。

ポーラの子供はもとは重度の自閉症で、彼女の実のお父さんにも「お前たち夫婦は子供を施設に託し、全てを忘れて前に進むべき」と言われたほどだったそうです。

講習会は主にポジティブ子育てについてでしたが、最も私の心に残ったのは「GFCFダイエットは効果があった」という一言でした。そう、あの“専門家”に「やらないほうがいい」言われた食事療法です。ポーラの息子さんは、この食事療法で言葉を話せるようになり、“高機能”と区分されるまでに回復したというのです。

ここから私の療育方針の方向転換が始まりました。清水の舞台から飛び降りる覚悟で自閉症バイオメディカル療法第一人者のベーツ医師(仮名)の門を叩いたのです。

ベーツ医師はホリスティック医療の専門家で、自身も自閉症児の母でした。初めてのコンサルで先ず出された課題は、①子供の食事から先ず乳製品を排除する(いずれはグルテンも排除する)こと ②キャリン・セルーシの「食事療法で自閉症が完治」(“Unravelling the Mystery of Autism”:GFCFに関する本)を読むこと ③タラの肝油を飲ませること ④(彼女の処方する)マルチビタミンを飲ませること…でした。

「食事療法無しに完治は有り得ない」-これがベーツ医師の主張でした。それは、「医者にかかってお金を払い、もらった薬を飲めば直る」といった、西洋医療の盲信を打ち砕くものでした。「自閉症は、いわば人の身体に起こる病気の多発テロのようなものである」という視点から、病気を一つ一つしらみつぶしに治していくという、とても気の遠くなるような”journey”(旅路)が始まったのです。

この時を境に、私にとっての自閉症の“専門家”は、診断者でもセラピストでもなく、自ら子供の回復に貢献してきた先輩ママたちとなったのでした。

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自閉症の専門家は誰?①

自閉症の症状を緩和させるのに効果的といわれる方法のひとつにGFCFという食事療法があります。GFCFとはGluten Free (グルテンフリー)& Casein Free(カゼインフリー)の頭文字を取ったもので、小麦などに含まれる麩質と、乳製品などに含まれるリン淡白を食事から一切排除するというものです。(このGFCFについては後の投稿で私なりの意見を述べさせていただきます。)

息子に「自閉症の疑いあり」と言われた時から、私はこれを独学・我流で(!)取り入れようとしました。玉石混合のネットで見つけた情報でしたが、当時は藁にもすがる思いでした。なぜ2つのたんぱく質を除去しなければならないのか、理由も仕組みもわからないままの見切り発車でした。今から思えばやり方も間違っていたし、穴だらけのバケツで水を汲むようなものでした。当然、これといった目覚しい結果も見られませんでした。

診断が下りた日、「何か質問は?」と聞かれ、「GFCFダイエットはどうなんですか?」と、聞いてみる自分がいました。自閉症診断の専門家といえど、相手は心理学者と言語聴覚療法士です。冷静になってみれば、聞く相手を間違っているのは明らかですが、当時は気が動転していたのでしょう。で、当然ながら両“専門家”からの意見は「そんなことに時間を使うくらいなら、行動療法やスピーチセラピーなどに力を入れるべき」ということでした。(ちなみにこの2分野がこの人たちの専門でした!)心が弱り判断力も鈍っていた私は「はい、そうします。」と、“専門家”の意見を素直に受け入れることにしたのです。

診断が出た後は、カナダBC州の自閉症セラピー補助の手続きに伴ってABAセラピー(応用行動療法)のコンサルタントを探して雇用契約を結び、このコンサルタント(Behavioural Consultant:BC)が主軸となって各種セラピストと連携をとりながらチームによる集中セラピー(Early Intensive Behavioural Intervantion:EIBI)が始まります。週40時間(!)のセラピーが理想とされていますが、実際には週20時間(1日4時間、週5日)でもかなりな金銭的・時間的負担です。

息子は午前2時間、午後2時間のセラピーでスタートしましたが、2歳になったばかりでコミュニケーションの全く取れない、自閉症大全開状態の幼児です。「あれをしろ」、「これを言え」と、やりたくない(出来ない)ことばかり2時間みっちり要求され続けて、泣き叫び、癇癪発作を起こして、頭を床にガンガン打ちつけ続けるばかり。泣き疲れてセラピー途中で寝てしまうこともありました。

そんな状態が半年ほど続き、子供は相変わらず言葉を発せず、毎月数十万円のお金ばかりが飛ぶように消えてなくなっていきました。政府からのセラピー援助金は5歳まで。3歳はもうすぐそこだというのに何も進展しない息子のセラピー。焦りばかりがつのっていく中、ある一人の先輩ママとの出会いが、私たち親子の療育を大きく方向転換させる舵となるのです。

 

 

 

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自閉症を疑うサイン②~学童編

“自閉症”か、強烈な“個性”か?

自閉症のサインは、一般に1~3歳の乳幼児期に現れることが多いと言われますが、いわゆる“高機能”自閉症と呼ばれる子供たちや、おとなしいタイプの子供たちの場合、このサインが見逃されたり、ただの“個性”として片付けられたりすることも多いようです。

幼稚園や学校で集団生活するようになって初めて、“壁”にぶち当たる子供たち。クラスメイトに“変な奴”というレッテルを貼られていじめの対象になったり、周りの大人に“怠け者”のレッテルを貼られて“ダメな奴”の烙印を押されたり…といった二次障害の火種を防ぐためにも、やはり早期診断と療育開始が重要になってきます。

今回は学童期の自閉症児に現れがちなサインについてお話します。

 

対人関係での要注意サイン
  • 周囲で起こっていることに興味を示さなかったり、そもそも何が起こっているかがわかっていない
  • 他の子供と会話を始めたり、遊んだり、友達になったりする方法がわからない
  • 身体に触れられることを嫌がる
  • ごっこ遊びや他人の真似、グループでのゲームが出来ない
  • 人の感情についての理解が乏しく、自分の感情も説明できない
  • 他人の話しかけに反応しない
  • 他人と興味や達成感を共有できない
言語コミュニケーション
  • 話し方のイントネーションやリズム、声の高低や話す速度などが不自然
  • 同じ言葉やフレーズを壊れたレコードのように何度も繰り返す
  • 質問されると、答える代わりに全く同じ質問を返す
  • 自分のことを、あたかも第三者のことのように話す(例・○○君は…)
  • 言葉や文法の間違いが多かったり、使い方が間違っている
  • 欲求や要求を表現するのが難しい
  • 簡単な指示や表明、質問を理解しない
  • 言われたことを文字通りにしか受け取れない
非言語コミュニケーション
  • 目を合わせない
  • 言っていることと表情がマッチしない
  • 他人の表情、声のトーン、ジェスチャーを感じ取れない
  • 指差しなどのジェスチャー(身振り手ぶり)が少ない
  • 視覚、嗅覚、触覚、聴覚刺激に異常に敏感に反応する
  • 変わった姿勢やぎこちない動き方をし、不器用である
融通性
  • 道順や時間割など、ルティーンに忠実に行動することに固執する
  • スケジュールや環境の変化にうまく対応できない
  • 特定の玩具や物(例・鍵、電気のスイッチ、輪ゴムなど)に異常に執着する
  • 物を一列に並べたり、自分の決まりどおりに配置することに固執する
  • 興味の対象の幅が狭く、数字やシンボルに固執することが多い
  • 玩具を自分の決まりどおりに配置したり、動きのある物体(例・車のタイヤ)を見つめたり、物の一部分のみ(例・商品のロゴ)にフォーカスしたりすることに長時間を費やす
  • 反復行動(例・手をひらひらさせる、身体を前後又は左右にゆする、一点でくるくる回るなど)
自慰(常同・反復)行動
  • 手をパタパタさせる
  • 前後に身体をゆらす
  • くるくる回る
  • 手のひらをヒラヒラさせる
  • 頭を打ち付ける
  • 光を見つめる
  • 目の前で(鍵盤楽器を弾くように)指をチラチラさせる
  • 指をならす
  • 耳を叩く
  • 引っ掻く
  • 玩具を並べる
  • (皿、コマ、鉛筆、風車、玩具の車輪など)物を回す
  • (自動車の車輪など)動きのある物を見つめる
  • 電気のスイッチをつけたり消したりする
  • 同じ言葉や擬音を何度も執拗に繰り返す

 

私の住む土地でもそうですが、日本人を含むアジア人コミュニティーでは特に、上のような自閉症のサインを「ただの“個性”だ!」と言い張り、発達障害の可能性を否定し続ける家庭もまだまだ多いようです。“障害”という名前の響きや体裁の問題なのかもしれません。しかし長い目で見た場合、早期に診断を受けて何らかの手立てを講じるほうが、子供自身の将来のためには良いのではないでしょうか。

親は子供を一生守ってあげることは出来ません。ならば守ってあげられる間に障害と向き合い、様々な訓練をしておくことによって、将来二次障害は避けられるかもしれないと思うのです。

 

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